山谷はこれまでミラノのスクワット、東南アジアのパンクスなど、国内外の様々なアンダーグラウンド・コミュニティに自身を溶け込ませ、生活を共にしながら、そこにある日常を、彼自身が現代に生きるアウトサイダーの一員としての繊細な視点で撮影しつづけてきた。本作「Tsugi no yoru e」は、2010年彼が最後にたどり着いた大阪を舞台に、そこで出会った友人達 − パンクやスケーター、そして女の子たち−と日々繰り返される夜から朝へのストーリーを記録した作品。Ryan McGinley, Larry Clark, Jacob Holdtらに影響を受けたという彼の作品は、時代や場所を超えた普遍的な若者の姿を写し出す。山谷はこの作品について「情報、場所、関係が 本来持つ重みを失い、全てが画一的になりがちなこの時代の中で、未だストリートやアンダーグラウンドに残る混沌や生の匂いを切り取り記録することが私の仕事かも知れない」と語っている。