《faces》シリーズは一見、規則的に並べられたかのようなイメージながらも、よく見ると割り箸やゴム紐、段ボールの断面を接写したもの。岡部淳史はアクセスしやすい日常のフィールドを被写体にしながらも、そこにオブジェとしての視覚的な美を探し求めています。モノの物質的な側面を過剰なまでに写し出すこれらの《faces》シリーズは、感覚的な心地よさを追求するために、ときには70本の歯磨き粉を使用することもあるという。フィジカルにフラットで無機質的なイメージへと収められた日用品は、感覚的心地良さとの絶妙なバランスを絶妙に保ち、誰もが目にしているであろうモノや景色をそのままに捉えながら、初めて目にするような新鮮な驚きを与えます。